一橋大学社会科学高等研究院は、2014年の設立以来、本学における世界最先端の研究を推進する拠点としての役割を担ってきました。
設立から8年が経過し、グローバル化の急速な進展、コロナ禍等の地球規模の危機など、世界はより複雑で解決が困難な多くの課題に直面し、社会科学に貢献を求められる研究課題も、社会から育成を要請される人材の質も、設立当初より大きく変化していると感じます。
一橋大学は、その卓越した学術コミュニティとしての歴史と伝統を継承する一方で、このような課題解決への積極的な取り組みを可能にすべく、よりダイバーシティ(国際化・多様化)に富んだ、特定の分野に捉われない分野横断型の研究環境、そしてそこで活躍する世界に開かれた先端的研究者集団の拠点形成を目指し、HIAS BRIDGESというプロジェクトをこの度立ち上げることになりました。
HIAS BRIDGESは、HIASをトップレベルの研究者が重層的な研究ネットワークを形成する「社会科学の拠点」へと強化することを目標に、以下の2つのプロジェクトからなります。
1つ目は、本学の戦略的重点化領域(経済学/経営学/会計学・ファイナンス/政治学・国際関係学/心理学/データサイエンス/グローバル・ロー)を中心に優秀な若手研究者を大規模にHIASで採用し、研究に専念できる環境を提供することで、次世代の若手研究者育成を目指す「HIAS BRIDGES Next」。そして、世界最高水準の研究者をHIASに国際招聘し、学内の研究者と共同研究することで本学の研究のより一層の深化と高度化を目指す「HIAS BRIDGES Distinguished」の2つのプロジェクトです。 すでにHIAS BRIDGES第一期生が着任されていますが、このプロジェクトを通じて、世界中から多くの若手研究者そして著名研究者が一橋大学に参集し、本学が、国境、国籍、世代、性別の壁を超えて多様な才能が集う学術コミュニティとしての個性と魅力を一層高め、その卓越した成果が社会に発信されていくことを強く期待しています。