【開催報告】第16回HIAS Brown Bag Seminar:「The Geopolitics of AI Governance: Shifts in the Global Paradigm, and the Role of Japan in the Future of AI」を開催しました。

2025/05/29

2025年4月8日(火)、社会科学高等研究院のDavid Uriel Socol de la Osa講師を報告者に迎え、第16回HIAS Brown Bag Seminarを開催しました。
このセミナーでは、「The Geopolitics of AI Governance: Shifts in the Global Paradigm, and the Role of Japan in the Future of AI」をテーマに、研究者、教員、学生が集まり、人工知能ガバナンスの進化する現状について議論しました。特に、日本がグローバルなAI政策の形成において果たす役割に焦点が当てられました。

セミナーの中で、Socol de la Osa講師は、AI規制のグローバルな変化が、経済成長・技術革新・基本的権利のバランスから、国家安全保障と経済競争力の優先へとシフトしている ことを分析しました。そして、この断片化された環境の中で、日本のAIガバナンスのアプローチは安定化のモデルとして際立つ可能性があると主張しました。日本の戦略として、イノベーションと倫理的配慮のバランス、業界ごとの規制枠組み、多国間協力へのコミットメントが、国際的なAIの地政学的変化の中で、日本の強靭な立場を支える重要な要素であることが強調されました。

このセミナーは、各国の利害や戦略的な立場が国際的なAIガバナンスをどのように再構築しているか について、活発な議論を生みました。参加者は、日本の実利的アプローチについての刺激的な分析を評価し、経済的利益と人間中心の価値観の間でバランスを取りながら、国際的な協力を推進する 日本の姿勢に注目しました。

このセミナーは、学際的な連携を促進するHIASの継続的な取り組みの一環として開催されました。一橋大学の学術コミュニティが、時宜にかなった重要な議論に参加できる貴重な機会となりました。AIガバナンスを、単なる技術的視点ではなく、グローバルな外交と国家戦略の重要な要素として理解することの必要性を、改めて浮き彫りにする場となりました。

HIASブラウンバッグセミナーは、一橋大学社会科学高等研究院(HIAS)が主催する新しいセミナーシリーズです。このセミナーシリーズは、HIASの研究者、教員、学生の交流を全学的に促進することを目的としています。11の研究センターを擁するHIASは、今後も全学的な活発な研究協力を促進するハブとして機能していきます。


Assistant Prof. David Uriel Socol de la Osa